更新日:
電子カルテ情報共有サービス、地域医療支援病院に努力義務へ
厚労省は電子カルテ情報共有サービスへの対応を地域医療支援病院・特定機能病院等の努力義務とする方針です。3文書6情報とは何か、事務部門が押さえておく点を整理します。
厚生労働省は、電子カルテ情報共有サービスへの対応を地域医療支援病院・特定機能病院等の努力義務とする方針を、医療法改正法案に盛り込みました。サービス自体の全国運用が始まる2026年度冬頃までに、詳細を省令で定める予定です(CBnewsマネジメント、2026年8月28日)。対象となる病院の事務部門にとっては、システム対応の要否や時期に直結する話ですので、現時点でわかっている内容を整理します。
電子カルテ情報共有サービスとは何か
このサービスは、患者の同意のもとで「3文書6情報」を医療機関の間で共有できるようにする仕組みです。3文書とは診療情報提供書・退院時サマリ・健康診断結果報告書、6情報とは傷病名・アレルギー情報・感染症情報・薬剤禁忌情報・検査情報(救急および生活習慣病)・処方情報を指します。全国9地域・22医療機関でのモデル事業を経て、2026年度冬頃をめどに全国展開が目指されています(GemMed、2025年12月11日)。
「努力義務」の対象と現状の電子カルテ導入率
努力義務の対象は、医療法改正法案上、地域医療支援病院・特定機能病院等とされています。一方で、2023年時点の電子カルテ導入率は一般病院全体で65.6%にとどまり、病床規模による差が大きいのが実情です。400床以上の病院では93.7%に達する一方、200床未満では59.0%と、まだ導入していない病院が少なくありません(GemMed、2025年12月11日)。努力義務とはいえ、未導入の病院にとっては対応の要否を早めに確認しておく意味があります。
事務部門が確認しておきたいこと
- 自院が努力義務の対象に含まれるかを、省令の詳細が示された段階で確認します。地域医療支援病院・特定機能病院の指定を受けているかどうかがまず出発点になります。
- 自院の電子カルテがサービスに対応しているかをベンダーに確認します。対応改修が必要な場合、費用や時期も併せて聞いておきます。
- **共有される情報の範囲(3文書6情報)**を把握し、患者への説明や同意取得の実務にどう影響するかを院内で共有しておきます。
まとめ
- 厚労省は電子カルテ情報共有サービスへの対応を、地域医療支援病院・特定機能病院等の努力義務とする方針で、詳細は2026年度冬頃までに省令で定められます。
- サービスで共有されるのは「3文書6情報」で、全国9地域・22医療機関のモデル事業を経て全国展開が目指されています。
- 2023年時点の電子カルテ導入率は一般病院全体で65.6%、200床未満では59.0%にとどまり、病院規模による差があります。
- 自院が対象に含まれるか、電子カルテがサービスに対応しているかを、省令の詳細を待ちつつ早めに確認しておくことをおすすめします。
本サイトのコンテンツは一般的な情報提供および研究・教育を目的としたものであり、特定の患者に対する医学的診断や助言に代わるものではありません。
この記事が属する連載
医療情報の取り扱いと安全管理5 / 6