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次世代医療基盤法の本人通知 — 医療機関の実務で確認する点
改正次世代医療基盤法では、病院の診療データは本人が拒否しない限り認定事業者に提供でき、医療分野の研究やAI開発に使われます。本人通知や提供停止の受付など、医療機関が行う手続きを内閣府資料に沿って整理します。
病院の電子カルテや検査データは、医療分野の研究開発の「材料」として使われる仕組みがあります。その枠組みが次世代医療基盤法です。2024年4月に改正法が施行され、2026年に入ってからは新しいタイプの利用事業者の認定も進んでいます。医事課や情報管理の担当者が関わる手続きがあるので、内閣府の資料をもとに整理します。
次世代医療基盤法とは
国が認定した「認定作成事業者」が、制度に協力する医療機関から患者の医療情報を集め、個人を特定できないように加工したうえで、大学・製薬企業などの研究者に提供する制度です。提供されたデータは、新しい治療法の研究や、診断・治療を助ける医療機器の開発などに使われます(内閣府「改正次世代医療基盤法について(医療機関編)」)。
2024年4月の改正で、従来の匿名加工医療情報に加えて仮名加工医療情報という区分が新しくできました。仮名加工医療情報は、氏名やID など単体で個人を識別できる情報は削除しますが、匿名加工医療情報と違って、特異な検査値や希少疾患名はそのまま残せます。希少疾患のデータや、同じ患者を継続的に追ったデータを扱いやすくなり、薬事承認のための分析にも使えるようになりました。
医療機関から認定作成事業者への医療情報の提供は、義務ではなく任意です。制度に協力するかどうかは各医療機関の判断で、協力する場合に次の手続きが必要になります。
医療機関が行う手続き
本人へのあらかじめの通知が出発点です。次世代医療基盤法は、医療機関があらかじめ本人に通知し、本人が提供を拒否しない場合に医療情報を提供できる、という仕組み(いわゆるオプトアウト方式)をとっています。通知には、事業者の名称・住所、利用目的、提供する医療情報の項目、取得や提供の方法、提供停止の求めの受付方法、提供の開始予定日など、内閣府資料が挙げる9項目を含める必要があります。
通知の方法は、最初の受診時に書面を渡すことが基本とされてきましたが、改正にあわせて電子メールやアプリの通知など電磁的な方法も基本的な選択肢に加えられました。16歳未満の方や判断能力のない16歳以上の方の場合は、本人に加えて保護者などにも通知します。通知のあとは、提供停止を求めるために必要な期間として30日間を目安に置くこととされています。
注意したいのが、匿名加工と仮名加工で通知が別々に必要という点です。両方の事項を含む「一つの通知」にまとめることはできますが、匿名加工に関する通知しか行っていないと、その医療情報は仮名加工医療情報の作成には使えません。過去に匿名加工向けの通知だけを行っている医療機関は、仮名加工に対応するなら改めて通知が必要です。
提供停止・削除の求めへの対応
本人はいつでも提供の停止を求められます。受診時に口頭で医療機関の窓口に申し出ることもでき、その後も認定事業者の窓口で受け付けられます。すでに提供された情報についても、本人を識別できる情報を可能な限り削除するよう求めることができます。
医療機関は、院内掲示やホームページへの掲載などで、いつでも提供停止を求められることを周知し、問い合わせの窓口機能を確保しておく必要があります。2023年から2024年にかけて医療情報の不適切な取得事案が起きたことを受け、通知が行われていない人や提供停止を求めた人のデータが含まれないよう確認する仕組みも、事業者側に追記されています。
まとめ
- 次世代医療基盤法は、認定事業者が協力医療機関から医療情報を集め、加工して研究・医療機器開発に提供する制度です。2024年4月の改正で仮名加工医療情報が新設されました。
- 医療機関から事業者への提供は任意です。協力する場合、あらかじめ本人に通知し、拒否がなければ提供できます(オプトアウト方式)。
- 通知には内閣府資料が挙げる9項目を含め、通知後30日を目安に期間を置きます。匿名加工向けの通知だけでは仮名加工には使えず、別途の通知が要ります。
- 提供停止・削除の求めは窓口で受け付け、院内掲示などで周知します。問い合わせ窓口の確保も求められます。
- 制度の詳細は内閣府「次世代医療基盤法コールセンター」(0570-050-211)でも確認できます。
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医療情報の取り扱いと安全管理2 / 6